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編集後記

2014年2月

エレクトニクスの“エ“の字も全く知らない私が、この研究会に参加して、約1年立ちます。私は、約30年、金属材料メーカーでめっきの物理解析に携わってきました。

分析・物理解析と聞くと、誰がやっても同じ結果が出ると思われています。確かに、物理解析においてもISO化が進んでおり、トレーサビリティを確保できる分析手法とは何かが明らかになってきています。一方、分野ごとで、分析目的が異なっており、同じ”物理解析“といっても、エレクトロニクス分野の分析は、金属素材のものと、全く違うものだと、改めて感じています。

素材では、構成要素(例えば溶融めっき鋼板だと、鋼板とめっき皮膜)は少ないけれど、目的物性(耐食性、接合性など)を出現させるため、不均一な構造(鋼中析出物、鋼板表面濃化、複数のめっき合金相など)を制御しています。素材における物理解析とは、目的物性を発現させる製造パラメータに対して、これら不均一構造がどうなっているかを調べることが重要です。絶対的な定量的な分析が可能なら嬉しいのですが、現実には膨大な時間を要するため、製造パラメータに対して、このような構造変化を定性的に明らかにすることの方が主流です。

私の感覚では、電子材料において、分析の対象となる構成要素(例えばゲート酸化膜から実装部品)は大変多く、それらが組み合わされた総合的な機能が要求されています。それぞれの構成要素が何であるかを調べるには定量的な指標を示すことが重要と思います。実際のところ、“定性的に違いを見ること”と“定量的な指標を示すこと”は、いずれの分野でも開発・製造のフェーズごとで、どちらを重視するかは異なってはいます。

エレクトロニクスとは異なる文化で育った私の経験が、何かこの会の、さらにはエレクトロニクス分野の発展に役に立ち、また私として新たなものを見つける契機になれば嬉しいと思う今日このごろです。

HP編集委員

過去の編集後記

編集後記執筆者一覧(50音順)(所属は執筆当時)

井上 靖朗
独立行政法人 産業技術総合研究所
小池 正記
独立行政法人 産業技術総合研究所
嶋崎 綾子
株式会社 東芝
高野 史好
独立行政法人 産業技術総合研究所
多田 哲也
独立行政法人 産業技術総合研究所
中村 誠
株式会社 富士通研究所
畑 良文
パナソニック・タワージャズセミコンダクター株式会社
服部 信美
ルネサスエレクトロニクス 株式会社
宮武 久和
シャープ 株式会社
渡辺 雄一
オン・セミコンダクター